「情熱大陸」ってちょっと良い番組です

私はテレビはニュースと映画がほとんどで、バラエティとかその他の番組はあまり観ません。だけど、毎週必ず観ている番組があります。「情熱大陸」(TBS系)です。
この番組は30分枠で、必ずしも有名な方ばかりでは無いのですが、毎回いろいろな分野でがんばっている人を取り上げ、長期にわたる取材からその生き方に迫ろうとするものです。選ばれる方々は本当に多岐にわたっていて、芸術家だったり、スポーツ選手だったり、ビジネスマンだったり....。また年末年始などは一つのテーマから数名を一気に紹介する、特別版なども放映されます。ただ、様々な理由からだとは思いますが、政治家の方はあまりないような気がします。
私はTBSの回し者でも何でもありませんが、この番組は「ちょっと良い番組」です。
それぞれの世界でがんばって、成果を上げている人たちの、生き方や、その仕事に対する取り組み方は、たとえ自分と全く違う世界であっても、とても勉強になったり、感動したりする要素が多く含まれているからです。見終わった後に、何となく元気をもらった気がして、「自分もがんばらなくては」と思うのが嬉しいです。
例えば、2006年9月放送の「ロボット工学博士山海嘉之さん」の時は、小さいときからの夢であるロボットを使って人の能力をアシストすることに注力するのですが、その中で足の不自由な方にロボット「義足」を提供し、久しぶりに自分の足で歩いた感動を共有し、心から喜ぶ山海さんの表情が印象的です。
また、2007年2月に放映されたパティシエの大会「クープ・デュ・モンド」の回は、日本の3人のパティシエがチームを組み、それぞれの能力を生かして切磋琢磨とチームワークを高め、結果として優勝という快挙を成し遂げます。日頃の地道な努力、トラブルが発生しても最後まであきらめない執念、メンバーでそれぞれの良さを高め合うチームワークなど、システム開発の現場でも応用できる要素が沢山ありました。

でも、ここまで書いておいてなんですが、私が今までで最も印象に残ったのは実は同じような番組ではありますが「ソロモンの王宮」(テレビ東京系:現在はソロモン流という名称に変わっています)で2004年11月に放映された「獣医 野村潤一郎さん」なんです。
野村さんはまれにクイズ番組などで、動物に関する問題の答えを解説するときなどに登場するのですが、フェラーリに乗って白のスーツで派手に登場する著名な方です。正直言って私は「何かちゃらちゃらしたやっちゃな〜」と少々抵抗を感じていました。でも、この番組を観て本当の野村さんを知って衝撃を受けたんですね。
まず動物・生き物に対する深い愛情。何匹(羽)か飼っているのですが、飼っているというより深く愛しているのがその表情から感じられます。動物をスケッチしたりもするのですが、うまい下手という以上に対象を深く観察していることが絵に現れて、圧倒されました。そんな彼がSONY「アイボ」を取り出して、「こんなんで動物がわかった気になっている人間の奢りに腹が立つ」と一刀両断に切り捨てているのが印象的でした。
それから獣医としてのプロフェッショナリズム。野村さんの病院の手術室はガラス張りです。飼い主は自分の家族でもあるペットの手術の様子をガラス越しに全て見ることができるのですが、これはすごい。よほど自分の実力に自信がないとできません。診察は朝から夜遅くまで、沢山のペットを助け、自分の全てをその責務に投じる姿は、感動的でした。
この番組を観て、私は自分の人に対する見方を、思い切り恥じました。
実はもう一度この時の放送を見たいのですが、当時まだDVDレコーダーを持っていなかったので、観ることができません。どなたか録画された方はいらっしゃいませんか?コメントを頂けるとありがたいです。