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梅田望夫さんと茂木健一郎さんの「フューチャリスト宣言」を読みました。

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

私は一般書籍でITに関連した本は「社会の中でITがどのように理解されているか」を知るためにも、必ず目を通すようにしているのですが、梅田さんの書籍はとても元気づけられることが多く、できればITに関わっている人全員に読んで欲しいと願っています。今回は茂木さんとの共著:対談で、茂木さんの力によりさらに視野が広く、奥行きのある内容となっています。
梅田さんの代表作といえばやはりベストセラーとなった「ウェブ進化論」ですが、一連の作品は一貫して「ネットのプラスの部分をのばして、良き未来を自分たちで構築する」という姿勢で貫かれています。確かに負の要素はある、しかしマイナスの事柄に注目するのではなく、プラスの要素を評価し、それをより伸ばすことで良い社会を作る、障害はあってもそれを乗り越えるんだ、という力強い意志です。決して第三者的な楽観主義なんかじゃない。そこには明確な主体性が存在します。

フューチャリスト宣言」47page
「コンサバティブなことを言うほうが最後は負けるだろう、そのくらい世の中が進歩することが、経験的にわかっている。 <中略> 現時点でウィキペディアだけを見て感想を言う人は「こんな駄目なもので....」となるんだけれど、ビジョナリー志向でモノを考えようとする人は、これは何かの「芽」に違いないと考える。ITの世界には昔からずっと、こういう何かの芽は大きな筋として正しければかならず育つんだという確信がある。 <中略> 筋でよいけどまだ小さい芽に対して、欠点をあげつらって近視眼的に叩くようなことを言えば、言っているとき少し利口に見えます。でもいずれ必ずしっぺ返しを喰う。」

また、今回共著のお二人は自己について、Geekではなく「Futurist」でありたい、と述べています。

フューチャリスト宣言」125page
フューチャリストになるためにはギーク的なものを突きつめるのとは違う覚悟がいる。人間というものを総合的に理解しないと。そのためには、まさに「知の総力戦」。ありとあらゆるものを動員する。 <中略> 未来は明るいはずである、いろんなことを努力してゆけば、全体として未来は明るい、そうあってほしい、そういう未来を創り出したいという意識がある。」

茂木さんの「知の総力戦」って表現はすばらしいですねえ。読んでいて「はっ」としました。
読むとパワーをチャージされるような本です。

私が読んだ梅田さんの他の作品:どれもおすすめです

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) ウェブ人間論 (新潮新書)